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「秘すれば花なり」

室町時代に能を大成した、世阿弥の書に風姿花伝があります。
どんな内容かというと、子供のうちはガチガチに能を教えないで自由にやらせた方が良い、などといった能の教本、能楽論の書となっています。

風姿花伝というすばらしく綺麗な4文字。この4文字が大好きです。崩して読むと、風の姿、花を伝える、みたいな。ただ、紅茶花伝のせいでイメージが崩れてプンプンなんですけど。いや、紅茶花伝好きなんスけどね。

適当に崩して読んでみましたが、真面目に意味を解釈すると、まず風姿と花伝、2文字がセットになってます。風姿の方の意味は・・・忘れた。ちなみに辞書で調べると、(1)容姿。風采。(2)趣のある表現。となってます。

良く分かんないのが、下段の花を伝える方。

「花」ってなんでしょうか?もちろんその辺に咲いている花のことではありません。論語の「礼」や「仁」のように、世阿弥は極度に抽象化された言葉として言っているので説明が難しいです。「美」とはまたちょっと異なる概念だし。
困った時のWikipediaには、観客に感動を与える力を「花」としている、とさらっと書いてますが、ふーん。
芸の花、みたいな言い方あるけど、そんな感じ?ニュアンス分かりますか?私には分かりません。
キリがないのでとりあえず解釈はこの辺で放っておきます。


風姿花伝中一番有名な言葉、「秘すれば花なり」。世阿弥は芸能でそれが一番大事だと言っています。しかし一体何を秘するんですかね?
世間には色々な解釈があって、それを探すのが私の隠れた趣味の一つです。ではいくつか解釈を紹介していきましょう。



1.サプライズな演出のこと


どういう意味か?例えばサーカスでライオンが突如暴れだしたー、びっくりしたけど面白かったー、でこっそり続けてもう一回見ると今回もライオンが暴れてらーと。観客にはハプニングに見えても、実は演者側が意図した演出だという解釈。

んーそういった演出は良く分かるけど、世阿弥の言いたいこととなんか合ってないような、というのが正直な感想です。


2.何気なく見えても実はすごいんです

最近見つけた解釈がこちらのサイトのもの。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20071109/142112/?P=3

一見すると何気ない所作でも、その背後には技能がぎっしり詰まっていると。イヤミったらしくそれを表に出さないのが美しい。
その解釈は良く分かりますね。前にも紹介した夢野久作の「能とは何か」に、能の舞の歩き方で一見するとノソノソ歩いてるだけに見えるけど、裏には600年間培われてきた技と知と型があると。

言ってることは良く分かるけど、まだ足りない要素があるような、というのが感想です。では次いってみよー。


3.象徴化されてるんです

能は全てにおいて象徴化されている。具象的なものを排除して、観客の想像力を強めるといった解釈。
この解釈も良く分かります。また夢野久作の受け売りですけど、あの能の無表情な仮面。なんであんな仮面なのか。それにはちゃんと意味があります。何もあらわしていないものは、実は全てをあらわしている、と逆説的な意味合いです。無表情だから、そこに全ての意味を込められると。

で、感想ですが、象徴化って別に隠してるんじゃなくて、ただ表に出てないだけじゃないかと。ほとんど同じ意味じゃねーかと言われると困るんですけどね。さらに続きます。


4.外部の人に教えちゃ駄目よ

はい、最後は私の解釈です。私のはそのまんまで、風姿花伝を含めた能の秘伝を赤の他人に教えちゃ駄目よというものです。
Wikipediaにもちらっと書いてありますが、理由が書いてないので自分流の解釈を書いていきます。

ようは人間は未知のモノやコトに対して、畏怖や神秘性を感じたり、驚きや興味を持つってことです。以前にもこの回で魔法について同じようなことを書いてますけど。

例えば手品師。あれは観客がタネも仕掛けも分かってないから、驚いたり面白がったりするんですよね。手品をやる前にタネ明かしする手品師がいたらどうなんでしょうか?あ、そーなんだ、ふーんで終わっちゃいます。

シャーロック・ホームズも同じことを言ってます。

「未知なるものはすべて偉大に見えるものなり」

初対面の人の職業をズバリ当てて驚かすシーンが話中でよくあります。どうやって当てたか推理の論理を説明した後のワトソンの感想。「なんて当たり前で簡単なことなんだ」と。それを受けたホームズのボヤきが上のセリフ。

この手の事例はキリが無いくらい世界にあります。


結局、芸能全般にいえることで、普通は自分の芸のネタばらしはしないものです。するとしたらネタがないときくらいでしょうか。もっとも、それは滅びへの一歩を進んでるような気がしますが。

事実、風姿花伝も秘伝中の秘伝で、明治時代まで一家の者以外は読めなかったようです。


はい、こんな感じで色々解釈を思いつくまま書いてみました。結局、上で書いた解釈を全部含めた解釈が一番近いのかもしれません。実に奥の深い言葉です。まだまだ解釈探しの旅は続きそうです。

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